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SD-40R(栗田科学研究所)を試してみた【感光乳剤比較レビュー】

2019年9月1日

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今まで使っていた新日本造形さんの感光乳剤が切れてしまったので次のものを買い増すことになりました。今回使用したのは感光乳剤を専門に作っている栗田科学研究所さんのSD-40Rです。

目次

  • 1 水性用の感光乳剤
  • 2 開封してみた
  • 3 試しに製版してみた
  • 4 網点よりロゴがやりやすい
  • 5 定着性がかなり高い
    • 5.1 追記
  • 6 コストパフォーマンスは良好
  • 7 追記

水性用の感光乳剤

まず、このSD-40Rは水性インク用の感光乳剤です。

感光乳剤には水性用、油性用、水油兼用の大まかに3種類が有ります。細かいディティールの再現性という点では、水性<兼用<油性の順で、水性用というのは若干不利です。

しかし、このSD-40Rは写真製版の様な細かい製版にも使えると言うことで試しに購入してみました。

開封してみた

SD-40Rは900gで販売されており、蜂蜜のビンみたいなでかいのが届きます。乳白色の基材に黄色の感光基を混合して使う仕組みです。かなり強い黄色なので衣服に付かないように注意しましょう。

2つを混ぜると優しい黄色になります。粘度はかなり低く、新日本造形の感光乳剤より格段にサラサラしています。スクリーン上での伸びがとても良く、あまり量を使わずに広い範囲に塗布できる印象。

正直個人ユースではそうそう使い切れそうにない分量です。2つを混合すると化学反応が進み一ヶ月で状態が劣化するので、出来るだけ早く使うか、僕の様に小分けにして使うと良いと思います。ここでは古い乳剤の瓶に移して使っています。

試しに製版してみた

SD-40Rは粘度が低いため、スクリーンに極薄の膜を張るという点では仕上がり性は良好です。慣れてない人でも最適な膜厚を作りやすい、作業性に優れた粘度だと思います。

かなり薄く塗布できる割にピンホールは非常に出にくいため、使い勝手は非常に良いです。
ただちょっと垂れやすいので、必ずスクリーン下に新聞紙などを敷いて塗布しましょう。

乾燥は一晩も有れば十分という感じ。ただし、感度が高いようで、出来ればスクリーンに塗布した後はあまり間を置かず一気に製版してしまった方が良いように感じます。個人的にはドライヤーで機械乾燥して、塗布から数時間以内に全部作業を済ませた方が綺麗に抜ける気がしました。

露光すると濃い黄色に変わるため、固まっていない部分との見分けやすさはそこそこです。
スクリーンへの食いつきは並で、露光が甘いと欠けたり流れたりという現象が起きやすいです。十分露光してもちょっと柔な印象。物に寄っては少し温水よりの方が綺麗に流せる場合が有るのですが、こいつは冷水の方が版が壊れ難いです。

網点よりロゴがやりやすい

僕の使い道はほぼ網点印刷なので、網点を試験的に露光してみました。

結論から言うと、細かい網点の露光はあまり得意でないように感じました。どうしても細かいディティールが潰れてしまい、網点印刷にこれを使いたいな、という気持ちにはさせられませんでした。

これくらいのドットは可能ですが、これで写真製版するにはかなり荒いです。それにスクリーンの食いつき性から、独立したドットが剥離しやすく難儀しました。

本当は写真の物より30秒ほど多めに露光してやると丁度良い感じです。ガッツリ洗おうとしたら剥離を始めたので、途中で洗浄を止めています。

他の方の作例をみてもあまり精細で綺麗な写真製版には使われていないので、この辺りがSD-40Rの限界かも知れません。
得意分野としては写真製版より影付きのロゴとかなのだと思います。

もう少し細部を出せるように追い込むことも出来ますが、毎度成功するかというとちょっと難しく、SD-40Rで安定的に作れるのは20線から30線が適性値ではないでしょうか? ポスターなら良いですが、Tシャツだとちょっとドットが目立つサイズです。

細かい網点印刷をするなら、 SD-40Rで何度もトライするよりは乳剤そのものを適したものに替えた方が楽です。例えば新日本造形さんの乳剤の方が細かいドットを出しやすく感じるでしょう。

後、細い線の抜けもあんまり良くない印象です。SD-40Rは表面の乳剤が流れてもメッシュ内に薄い膜が留まる傾向があり、しっかり洗浄して落とす必要が有ります。細い線の中にこれが残ってしまうと製版失敗となるため、洗浄時は注意が必要です。これを徹底すると版そのものが崩れてしまうことが有り、取扱いが難しいですね。

SD-40Rの適している使い道はロゴや版画絵の様に色のメリハリが利いていて、落とすところはしっかり落とす製版が合っているように思います。線の出方は悪くないので、元絵に対して綺麗に出ると思います。

そこで折角なので、このブログのロゴも露光してみました。

やはりSD-40Rはこういう落とすところは落とす、残すところは残すというクキッバキッとした描写が得意なようで、こちらは網点よりも数段作業がしやすかったです。特に線のエッジの出方が中々秀逸で、これは他の乳剤と比較してもアドバンテージが有ります。

広い面積の流れ性も良く、ロゴの様に広い面積の乳剤を落とすやり方には乳剤そのものの性質と使用用途がピッタリ一致している感じがします。

定着性がかなり高い

その後色んな感光乳剤と比較した結果、SD-40Rのもう一つの特徴として、スクリーンメッシュへの定着性がかなり高いということがわかりました。

網点だとそれがデメリットになることも有りますが、露光時間を調整しながらやれば、こんな感じに細かいデザインも綺麗に露光することは可能です。

ただ、SD-40Rはスクリーンからの剥離が非常に難しいです。使用したスクリーンはレクリーンなどの溶剤で剥離することが出来るのですが、SD-40Rは全く剥がれません…。

スクリーンメッシュが事実上使い捨てになってしまうので、値段の張るハイメッシュには使い辛いかな、というのが僕の意見です。

コストも安い150メッシュくらいだったらバンバン使い捨てられるので、SD-40Rを使うのは有りだと思います。

追記

→SD-40Rで製版した版の動画を作りました

コストパフォーマンスは良好

ちょっと入手性に難が有りますが、900gが送料込みで3000円と量の割にかなり安い乳剤です。教室などで大量に使うような用途には良いんじゃないでしょうか?

初心者向けとしておすすめされることが有りますが、確かに作業性の良さはスクリーン作りの初心者には適した乳剤と言えます。簡単に極薄い塗膜が作れるため、厚くしすぎて失敗するということが有りません。

ロゴTシャツを作るなら乳剤の性能的にも丁度良く、失敗してもガンガン使える分量が有るのは有り難いですね。最初は200gくらいは練習ですぐなくなってしまうので、大ボトルで買ってしまうのは有りだと思います。

追記

混合後、2週間経った乳剤でスクリーンを作ってみましたがかなり現像がしにくくなっていました。

なので使う場合は2週間以内に使いきるのを目安にされると良いと思います。

Filed Under: シルクスクリーン

 

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