
こんにちは、身代わり(MOS)です。
今日はオリジナルTシャツの自作についてのお話です。
アパレルに関しては、これまで優先順位としてあまり高くなかったのですが、個人的にUnderPowerMotorsのロゴTシャツが欲しいな、という実益的な部分と、作品として作りやすいので定期的なブログのネタとして良いかな、という2つの理由から制作にトライしてみることにしました。
今回紹介したやり方で、低コストにオリジナルTシャツを作ることが出来ます。
目次
バイク用ウェアにしよう

実は僕はジャケットやボトムス、ブーツなどはバイク専用のものを買っていますが、アンダーウェアについては春先は普通のシャツを着たり、あるいはゴルフなど他のスポーツのものを流用して専用品を買っていませんでした。
でもこれからのシーズンは乗る機会も増えるし、夏は大量に汗をかくことがわかっているから、吸湿速乾性に優れたウェアをバイク用に買おうと思いました。
とはいえ、コンプレッションウェアの様なボディラインを露骨に出すピタッとタイプの服はちょっと・・・なのでドライタイプのシャツをベースにオリジナルのプリントを入れて作る方向に。
普通にバイクショップのTシャツもこのタイプなので、仕様上の問題も無いです。
オリジナルTシャツの作り方は2つ
オリジナルのTシャツを作ると言っても、生地から縫製して作るということではなく、印刷部分のみをデザインします。
この時、Tシャツに絵をプリントする方法として、インクで色を付けるシルクスクリーン方式と、熱転写シートを用いるヒートプレス方式の2つの選択肢が有ります。

シルクスクリーンは版画の様に版を作り、インクを乗せて印刷していきます。そのため、まず版を作るために多少の初期投資が必要で、その後は作れば作るほど安くなります。
ヒートプレスは専用の熱転写シートを絵の形に加工して作るため1点ものに近く、大量生産でもシルクスクリーンほど劇的にコストが下がりませんが、その代わり初期投資が少ないです。
ここではヒートプレス式を紹介していきます
シルクスクリーンとヒートプレス、どちらで作り始めるかと考えたとき、僕はヒートプレス式を選ぶことにしました。通常、Tシャツの自作にはシルクスクリーン式を推奨されるので、いきなり逆張りです。
こちらを選んだ理由は、デカールやラッピング用に揃えた機材がそのまま流用できるから。シートのカッティング作業はカッティングマシンを使えば楽に綺麗に出来ますし、作業内容もこれまでとほとんど変わりません。
逆にもし僕が完全新規で機材を揃えるなら、スクリーン式でも良かったと思います。インクで染めるシルクスクリーン式は、細かいデザインでヒートプレスより有利そうですし、大量に作るとなった時にも楽です。
思ったより安い
自分で作り始めると、1~2色で柄を描いたオリジナルTシャツくらいなら、自分で作れば結構低コストに収めることができることがわかりました。
ベースとなる無地Tシャツが500円、それに色を付けるシートもAmazonで1000円くらいです。
勿論、いきなりプロクオリティとはいきませんが、自分と周囲の数人に配る範囲なら、ハンドクラフト感が有っても気にする人はいないでしょう。ショップに数枚のオーダーを出すとロット数が少なすぎて高くなるので、個人的に使う分は自分で作れると財布が傷まないです。
材料を揃える
次にヒートプレスの材料をまとめます。
まずヒートプレスに必要な物は熱転写シートです。熱を掛けると生地に貼り付くゴム製のシートと思ってくれればわかりやすいです。
これをデザインナイフやカッターナイフで好きな形に裁断していきます。
僕はOLFA製ナイフが安くて良く切れるので、他の方には最初の一本として、まずこれをおすすめしています。
デザインナイフは曲線が切りやすいので、複雑なデザインに向いています。 最初は1色でロゴを切り出すとかが練習としてやりやすくておすすめです。
とりあえずプリント部分に関してはこの2つ有れば最低限のことは出来ます。
そしてシートを熱転写する為のアイロンが必ず必要です。安い奴で構いません。自宅に適当に有る奴でも全然大丈夫です。
大量に作りたいならカッティングマシンを使って一気に裁断するのが良いですが、これをいきなり購入するのはちょっと難しいですね。あまり安くも無いので、低コストに収めるなら手切りを覚えた方が良いです。
僕はデカール制作用に既にカッティングマシンを持っていたので、これを流用しました。
今回はUnderPowerMotorsのロゴをプリントすることにしました。

まず、僕個人が使うために、このブログのロゴTシャツを作ることにしました。
これの形に合わせてシートを切断します。手でシートを切る時は、ロゴを紙にコピーして、それごとシートを切っていくと綺麗に切れます。

切ったシートから、余計な部分を取り除く、いわゆるカス取り作業を行っていきます。最終的に分離した物はこんな感じです。
シートから文字だけを切り取り、残りは台紙から剥がせば、最終的にロゴだけが残る寸法です。
ただし、熱転写シートは単色のシートなので、複数色で出来たロゴを一度にプリントすることが出来ません。ここでは、まず赤文字を熱転写してから、黒文字を入れることにしました。
では、いよいよこれをTシャツと合体させましょう。

と、その前に、これと合体させるTシャツ、いわゆるボディの準備です。
無地のTシャツはそれ専門のショップが複数有ります。どこで買っても良いですが、メーカーはユナイテッドアスレかプリントスターが定番です。
これらのブランドはカラーバリエーションも豊富で、欲しいカラーは大抵揃います。素材も綿100%や、ポリエステル100%など用途によって使い分けが可能です。またヘビーオンスになるほど生地にハリが出てしっかり感が増します。
国内メーカーのため一見高そうですが、無地のTシャツは1000円有れば十分です。
今回はユナイテッドアスレのシルキータッチドライTシャツをチョイスしました。ポリエステルで出来たドライTシャツの方が吸湿速乾性に優れるからです
綿100%のTシャツはどうしても長時間のライディングでびしょびしょになってしまいますが、ドライTシャツはその点サラッとした状態が長時間続きます。
そしてこのシルキータッチと呼ばれるTシャツですが、普通のドライTシャツがザックリした質感なのに対し、かなり滑らかな肌触りで気持ち薄手です。着たときの気持ちよさ、という点ではかなり優れています。
そしてTシャツにシートを転写します。
Tシャツに写すためには熱を掛ける必要が有り、アイロンを用います。上からシートをアイロン掛けすればシートとTシャツが一体化するというわけです。
火力的には一般的な家庭用アイロンで十分な火力が出ます。僕は自宅にあったティファールのアイロンを使いました。
要は転写に必要な熱量が得られれば良いので、家庭用アイロンでも事足ります。
事前に決めた位置にシートを置き、当て布ごしにアイロンをかけます。時間としては10秒程度で十分です。
熱と圧力をかけたら冷めるのを待ち、残りの台紙を剥がします。ここまでこればほぼ完成です。熱転写シートはポリエステルに定着しづらいと聞いていましたが、アイロンの熱と圧力で問題なく定着しました。
完成品はこんな感じ!

最初に完成したUnderPowerMotorsTシャツはこんな感じです。
オールシーズン用にまず長袖です。本格的な夏場用に半袖も追加で作っても良いですね。
なお、多色で制作する場合、必要なシートが2枚になるので、作る手間も2倍になります。この辺は時間とコストの兼ね合い、といった感じです。
正直1色で作るのがシンプルで一番作業性は良いです。
前に作った物と比較

僕のアバター用に以前ザックリ作った”身代わりTシャツ”と比較してみます。これは完全にコスト重視に作ったので、熱転写シートもAmazonのノーブランド品ですし、ボディもめちゃくちゃ安い奴です。
余談ですが、周囲からは「呪われそう」と不評でした。
今回は洗濯にも耐えられる、もう少ししっかりした物としてユーロポートの熱転写シートを使っています。ここはカッティングマシンも平行して取り扱っているので、今回の目的には丁度良いです。


ユーロポートのシートは別に切り出したものをアップで撮影してみました。
比べてみるとユーロポートの物はつや消しでもわずかに光沢感が有ります。触ってみるとラバープリントみたいな質感です。が、写真だと差があんまり分からないですね…。
Amazonで購入した物は完全なつや消しになります。触ってみてもこちらの方がサラッとしています。
熱転写シートは各社から購入してみて、最終的にふさわしい物を決めようと思います。
いかがでしたか?
少しの道具が必要ですが、仕組みとしては凄く簡単で自宅でもできる内容です。というか僕は自宅で全部作りました。
ワンオフのTシャツが欲しい人は、是非挑戦してみて下さい。 初めての方でも所要時間1時間くらいです。
今回の制作に限らず、バイクやツーリングをテーマにしたTシャツを引続きコレクションに加えていく予定です。 実はこの記事を書いている段階で、次のTシャツの準備も進めています。 またそれは次の記事で詳しくご紹介していきましょう。