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SONY MDR-100Aのここが凄い!【レビュー】

SONY MDR-100A

ハイレゾ機材を導入するついでに、室内で使うオーバヘッドのヘッドフォンも追加で購入してみました。今回のレビューは、SONYより先日発売されたばかりのMDR-100Aです。デザインが従来のSONYのヘッドホンと比較しても大分独特な形状ですが、音の方はどうでしょうか?

MDR-100Aとは?

MDR-100AはSONYが2015年に発売したハイレゾ対応オーバーヘッド型ヘッドホンです。パッドや中のネットに至るまで全てのパーツをワントーンに塗装した非常に珍しいスタイルのヘッドホンになっています。ハウジングも、複数パーツの組み合わせというよりは板材からモコッと持ち上げた様な奇妙な形状をしています。デザイン性という面ではかなり攻めた作りと言えるでしょう。

5Hzから60kHzまで対応する広帯域設計、インピーダンスも24Ωと比較的音量は取り易くなっています。専用アンプをもたない方でも安心して使用できます。

全体的にコンパクトにまとめられている

外箱から出した状態のサイズ感は比較的コンパクトです。イヤーパッドも小振りで、耳がギリギリ収まる位のサイズとなっています。重量は220gと軽めで、外に持ち出しても重さを感じないくらいのレベルです。側圧はオーバーヘッドとしては普通、やや弱めくらいに設計されています。遮音性はそこそこ高いです。このパッドですが、非常にモチモチとした気持ちいい感触で、肌触りもとても良い仕上がりになっています。付属のケーブルは平ケーブルになっており、絡まりづらい作りです。

外観のデザインを見てみると、あまり凹凸が無く、全体としてつるっとした感じになっています。全体の艶も統一されており、全てのパーツが一体になった様なデザインが特徴的です。ヘッドバンドのSONYのロゴはもうちょっと主張していてもいい気がします。全体的にワントーンにまとめられており、5色展開の中ではブラックは少し地味過ぎるかもしれない。ヘッドフォン全体の質感は2万円の製品としては良く出来ていると思います。

音質は低音をしっかり聞かせる系

試聴では色々なジャンルをまたいで確認しましたが、高音の伸びや迫力という物はそれほど感じませんでした。いまいち主張が弱く、電子音も埋もれがちです。低音はややぼわついており、量としてもやや盛り上がっています。密閉型ということで、低音は主張が強くなりがちではあるのだけれど、いまいち支配的な感じが強過ぎる気がします。全体としてはかなり優しいというか大人しい、言い方を変えると暗めの音を出します。機材との相性も当然有りますが、低音にポイントを持ってきていると、このヘッドフォンと合わない可能性が有ります。どちらかという高解像度系の環境と合わせた方が上手くバランスが取れる気がします。

アコースティックな楽器の表現はそこまで得意という感じでは無いです。クラシックは苦手では無いですが、価格を考えると凄い得意とも言えません。低音に迫力が有るので、ジャズの方がそつなくこなす感じです。ボーカルの表現も上手いです。ロックは高音が弱いことを考えると難しいかもしれない。今回あまり良い感触を得ませんでした。音場は密閉型の割には広く、分離も価格を考えると十分と言えるでしょう。

コストパフォーマンスは良好

MDR-100Aは現在有線タイプで2万円丁度くらい。オーバーヘッドの密閉型は、この価格帯だと少し下にDT770PRO、A900X等が有り激戦区ですが、それでもMDR-100Aのコストパフォーマンスは中々です。PRO750はちょっと価格が比較対象として離れ過ぎているかな。開放型でも良ければ鉄板のHD598も視野に入るので、このエリアで明確な個性が出すのは難しいですが、SONYらしい基本性能の高さが魅力です。あまり刺激的な音を出すヘッドフォンでは無いので、長時間の視聴や、一台でそつなく聞く方には向いているのですが、これでないといけないという強みがもうちょっと欲しいところです。