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ダイハツ キャストスポーツに試乗してきた!【レビュー】

ダイハツ キャストスポーツ

スズキがアルトワークスを出してきたのに対抗し、ダイハツもキャストスポーツという形でスポーツグレード車を出してきました。キャストは丸目ライトに大きなグリル、2トーンの採用等デザイン的には華やかさを感じる外観をしています。

走行性能のみならず、見た目の良さも追求

ダイハツ キャストスポーツ

最近流行の2トーン仕様を採用することで、トレンドに敏感な層にもばっちり訴求しています。丸目やデカール、それに色違いのミラー等、欧州車をかなり意識している様です。フロントデカールが従来のダイハツの「D」マークから少しお洒落なエンブレムになっていること、スポーツのSの赤バッジがアクセントとなっています。随所にメッキパーツも投入され、安っぽさを見せない作りです。

パッケージの内容としては、キャストスポーツは走行性能と同時にレジャーでの使い勝手等ファミリー層をかなり意識して作られており、今時の軽スポーツの中でもかなりマイルドな仕様です。同じダイハツのコペンも多くのユーザーに優しい仕様になっていましたが、こちらもスポーツ性と日常の足としての使いやすさのバランスを考えられています。

細部は非常に拘っている

ダイハツ キャストスポーツ

運転席に座ってまず「ん?」と思ったことが、ステアリングが非常に滑り難く、握りやすいベストな形状をしていることでした。おまけにサイズも小径でスポーツグレードとしては非常に好ましい大きさ。良く見るとキャストスポーツのステアリングはMOMOステを採用しており、質感が高いのも頷ける出来栄えです。これは競合と比較しても頭一つ抜けています。個人的にこれなら後付のステアリングに交換しなくてもかなりいけそう。AT車はパドルシフトも採用していますが、これが有るからMT車より速く走れると思っていたら恐らく肩透かしを喰います。

一方乗用車ベースのため、シートがベンチシートなことはスポーツグレードとしてはやや残念。ちょっとホールド性が心もとなくなっています。同じスポーツグレードのアルトワークスがしっかりレカロなことを考えると、ここは大差を付けられてしまった印象です。内装は樹脂パーツやメーター、エアコンの送風口が赤で統一され、中々好戦的な仕上がりになっています。

走行性能では他社に数歩譲るか

エンジンは軽らしい、悪く言うとパンチの無い感じで踏んで楽しいというエンジンでは有りませんでした。スポーツグレードとしては静粛性はかなり確保されていますが、刺激レベルはマイルドそのものです。ブレーキは良く効きますが、遊びが非常に大きく、ペダルを奥まで踏み込んでようやくガッと効いて来るタイプです。この辺り好みが分かれるところでは有りますが、コントローラブルなブレーキでは有りませんでした。小柄かつ軽量なボディは左右へ素早く方向転換してくれます。小回りという面ではホイールベースの短さも有り、かなり期待できるでしょう。足回りは乗り心地を計算されており、固さを感じません。良くも悪くもマイルドなセッティングです。問題点を挙げるならある程度スピードが乗ってくると腰下のホールドが甘いベンチシートでは足を引っ張るということでしょうか。

最近のダイハツらしい尖ったスポーツ性能を丸めた車作りが為されており、恐らく誰が乗ってもそこそこ走らせることが出来ると思います。一方、いわゆるサーキット勢が軽量さを求めて買うには物足りない部分が多いのも事実です。日常の足にスポーツ色も適度も加えたいという方にはバランスが取れた良作と言えるかと思います。