コラム

レース由来のスポーツバイク、モタードってどんなバイク?

モタード

定番モデルとして市場でも既に定着した感が有るモタードバイク。その生まれから、モタードの特徴までざっくりと説明したいと思います。

スーパーモタードとは

この手のバイクの解説で良く登場するスーパーモタードという競技は、ターマック(舗装路)とダート(未舗装路)をミックスしたコースを走行するのが特徴の競技です。車両を指してモタードと呼ぶ場合は、この類のレースに適したセッティングを行ったバイクのことを意味します。実際のレースではダートを走破する都合上、モトクロッサーを始めとしたオフロードバイクをベースに使用しています。ライダーには幅の広いライディングスキルが要求される競技で、リーンアウト気味の深いバンク角や大きくリアを振り出すドリフト走行、ダートセクションの連続したジャンプ等、見所の多いレースです。

市販されている車両はどういう物なの?

モタード

現在市販されている公道向け車両はオフロードバイクをベースに、オンロードに対応出来る様ホイールやタイヤ、サスセッティング等調整を行った物です。競技専用のモトクロッサーに比べると、一般ライダーのスキルに合わせて性格はマイルドになっています。ホンダCRF250MカワサキのD-Tracker X、ヤマハWR250Xと各社人気の有る250ccクラスを揃えています。

海外メーカーに目を向けると、ドゥカティHypermotard 939等大排気量モデルが増える傾向に有ります。車体の作りもレース志向が強くなり、入手性や扱いやすさよりやや過激さを強調したモデルが多くなる印象です。

初心者でも大丈夫?

モタード系のバイクは出自がレース由来ではありますが、基本的に軽量な車体とトルクフルな単気筒や2気筒が使われる為、どのライダーでも扱い易い特性を持っています。またオンロードタイヤを装着したことで、同系統の車体を使うオフロードバイクよりもアスファルトの上での絶対的なグリップ力は向上しました。街中での小回りも良く、自在に操れる良さが有ります。ポジションは、オンロードバイクの代表選手であるスーパースポーツ系に比べると比較的長時間のライディングに向いており、負担が少ないのが特徴です。パワーに余裕の有る大排気量も良いですが、無理なく扱える小排気量クラスも悪く有りません。

デメリットもちらほら

ベースとなったオフロードバイクそのものが、悪路を走破する為に車高を高くしている為、モタードも他のタイプに比べ、シートが高い傾向に有ります。特に欧米のライダーの体格に合わせている外国産のモタードは総じてシートが高く、乗る際に少し気を使うかもしれません。

また多気筒エンジン、高回転型エンジンが依然人気の有る日本国内では、振動の大きさを気にする方も多いでしょう。特にある程度以上の排気量の単気筒エンジンはどうしても振動は大きいです。低速トルクが厚くエンストしにくいですが、スーパースポーツの様に非常に高回転まで回して楽しむことが構造上難しいです。