前回はラッピングの始め方について記事を書きましたが、今回は素材としてのヘルメットの選び方を解説します。内容自体はステッカーカスタムやペイントにも応用可能です。
目次
主なラッピング箇所はここ
まずヘルメットにイラストやロゴを追加しやすい、大きなスペースを取りやすいところは上記の画像の通りです。
ヘルメット上面、側面、後頭部が該当します。ステッカーカスタムや痛ヘルメット化なら、ベースのカラーを活かしつつ、この箇所だけ施工するのが簡単です。
部分的なラッピング以外にも、2トーン仕上げなどベースとなるヘルメットのカラーリングを完全に変えるフルラッピングという方法が有りますが、やはり相対的に難易度は高いです。
平らな面が多いほど簡単
やはりステッカーやラッピングシートを貼る面が広くて平らなほど施工はしやすいです。上の動画では熱で柔らかくしたシートに一気に押しつけてハーフヘルメットをラッピングしています。個人的にもハーフヘルメット、ジェットヘルメットは作業性が高いように思います。ただほとんどの方はフルフェイスに施工したい方だと思いますので、その場合はあまり複雑な凹凸の無い物を選びましょう。
SHOEIのJ・Oなどは複雑なダクト類が無いので、カスタムベースとして最適です。
施工時はシールドなどを外そう
次にヘルメットをフルラッピングしている動画の例です。これはヘルメットをフルラッピングしている例ですが、シールド類は全て外して縁まで全てラッピングしています。こうした方が施工後にシートの端がシールド下に収まるため、端の処理の粗さが目立たない、剥がれにくいなど良いことづくめです。
もし可能ならエアダクトのパーツも外せるだけ外しておきましょう。最後にシートの端をダクトパーツが押さえつけるため、施工後しばらくしても剥がれません。逆に動画の様に埋め込み式のダクト周辺でカットすると、時間が経つにつれシートそのものが縮んで下地が見えてくる場合が有ります。
ちなみにAraiなどのシールドカバーの付いているヘルメットも、施工時は一度外しておいた方がやりやすいです。付けたままだと段差で皺が入ってしまいます。
カバーへのラッピングは最後の仕上げ段階で行います。
上面をラッピングしやすいヘルメット
ヘルメットの頭頂部をラッピングしやすいヘルメットは、多くの場合エアダクトパーツが少なく、フラットな面の多いヘルメットです。
ショウエイ(SHOEI) バイクヘルメット フルフェイス Z-7 マットブラック M(57cm)
その条件に合致していて、私も実際に使ったことの有るヘルメットに、SHOEIのZ-7が挙げられます。これはこのブログでも度々おすすめしていますが、形状的に無理が無く、またヘルメットとしての基本性能が高いです。カスタム抜きにしても売れ筋モデルですから、単純に良いヘルメットが欲しいという方にもおすすめできます。
またZ-7は後頭部に関しても十分なスペースが有り、ロゴステッカーを貼ることにも使える便利なヘルメットです。
側面をラッピングしやすいヘルメット
側面をラッピングしやすいヘルメットはシールドカバーが付いていて、施工面積を取りやすいヘルメットが適しています。上面とは対照的に、これはSHOEIよりAraiの方が向いています。VAS-Vホルダーのおかげでシールド取り付け部分が隠れるからです。
中でもVector-Xは頭頂部にセンターダクトを設けただけのシンプルな構造で、側面方向からの貼り付けに非常に適しています。その分上面を貼るスペースを同時に確保することは難しいですが、横から見たときのインパクトを最重視する場合におすすめなヘルメットです。
フルラッピングしやすいヘルメット
全周をラッピングするフルラッピングは前述の通り難易度が高めです。J・Oなどのジェットヘルメット系はあご周りがそっくり無くなるため、作業行程が少なく、おすすめできます。
フルフェイスでフルラッピングしたい場合、最近発売されたSHOEIのRYDが非常にフルラッピング向けな形状をしています。エアダクトの形状もそれまでのQWESTより邪魔にならず、上面、側面、後頭部の全てでフラットなスペースが広くなっています。価格はやはりそれなりにしますが、フルラッピング狙いならこれは結構おすすめですね。
また、アイコンのAIRFRAME PROもベースとして悪く有りません。後頭部と口元のダクトが少し難しいですが、RYDよりも広いスペースを確保できます。
またアイコンは元々グラフィックモデルに力を入れているブランドなので、メーカー純正の参考例も豊富です。自作する前に仕上がりをイメージしやすいという点ではアイコン製ヘルメットは優れています。
カッティングステッカー作り
カッティングステッカーはプリンターとデザインナイフが有れば自作することは容易です。ただステッカーを切り出すのに手間がかかるため、大きく細かいステッカーならカッティングマシンが有ると便利です。
3万円ほどから購入でき、ヘルメットのサイズに合った大判ステッカーの製作・量産が可能です。
イラストを用意する
ヘルメットを用意したら、次はイラストの準備です。ヘルメットの左右に貼り付ける場合、イラストは左右反転で作れますから、基本1枚で足ります。ヘルメットの中央部にも貼り付けたければもう1枚といった形です。
ヘルメットを用意する際の注意点としては、出来れば解像度が350dpiほど欲しいです。これは印刷した時にイラストの荒さが目立たなくするためで、極端にイラストサイズが小さい場合はイラストがガタガタになってしまいます。印刷時の設定で補正することも出来るのですが、まずは出来るだけ大きくてオリジナルサイズに近い画像を探しましょう。
イラストの発注先
イラストは公式イラストを使う場合も有れば、イラストレーターが個々に公開しているものを使うことも出来ます。オリジナルのイラストが欲しい人は、ココナラなどのイラスト発注サービスを利用すると安価に制作することが出来ます。
完成した大判イラストステッカーの印刷は、このブログではのらいも工房さんにお願いしています。将来的にバイクの現車持ち込みによるラッピングの予定があるなら、近場の委託先を探してみるのも手ですね。
素材を選ぶ際の注意点としてはエアフリーという記載があれば、気泡の抜けが良く、綺麗に貼れます。このタイプは裏面に気泡抜けの溝があるので、通常のステッカーの様な水貼りをすると溝に水分が詰まってしまいます。
補足:車両そのものをラッピングしたい人
このページではヘルメットのラッピングについて解説しましたが、車体そのものをラッピングしたい人もいるでしょう。
そういう人には下記の記事で車体のラッピングについて解説しています。