シルクスクリーン

版画職人が教える手作りTシャツとボディの選び方

スカサハ

こんにちは、MOSです。今日は僕が自分で作ってきて思ったオリジナルTシャツのボディのお話です。

自分でプリントする時に使いやすいボディや、着心地の特徴などを解説します。

ボディとは全ての基本

プリントTシャツ作りにおいてボディとは無地のTシャツを指します。

柄が入っておらず、カラーのみ選べる状態で販売されているものです。ボディメーカー、生地、シルエットも好みで選べるほど豊富なので、自分でプリントTシャツを作るとき、まずはボディを選定する作業から始まります。

まずは1着買ってみる

オンラインのショップページでは多種多様なボディが販売されており、どれが良いのか迷ってしまうと思います。

個人的には気になるスペックが有るなら、1着は取り寄せてみることをおすすめします。大抵のボディは500円~1000円以内でネット販売されているため、お試しで買いやすい価格になっています。素材・カラーが好みでも、実物は少し印象が違った…ということを避けるためにも、事前の確認が大事です。

ボディは何を使っても自由

まず国内でボディメーカーはユナイテッドアスレとプリントスターの2ブランドが圧倒的に強く、大抵のプリント需要はこれらでカバーすることが出来ます。ただし、これらを使わないといけない、ということは無いです。僕も販売用に使うことも有れば、他のブランドを選ぶことも有ります。

貴方が個人で使うなら、ユニクロなどのメジャーブランドをボディに選択しても全く構いません。

僕は個人用にはトライブレンドのボディを好んで使っています。これは綿+ポリエステル+レーヨンの生地で、テロっとした肌触りの良さとほどほどの速乾性を持っています。

国内のメーカーから選ぶ難点を挙げるなら、海外からの注文で多く見られる3XLなど極端に大きいサイズが買いづらいというのが有ります。
そういう方はGILDANなど海外メーカーのボディを選ぶのも手です。特に近年はオーバーサイズの需要が強く、うちに来る注文も2XL以上が多いため、GILDANは常にストックしています。

プリントに向いているのは綿100%

インクを使ってプリントする場合、基本的には綿100%の生地が色の定着が良く、おすすめです。

良く色落ちを心配する声を頂きますが、今のインクは出来が良く、更に熱で硬化させるので色落ちよりも先に生地の方が経年でやれてきます。

水性インクを使用した染みこみプリントや、ラバーインクを厚めに盛ることもできるため、特にこだわりが無いなら、最初は綿100%のボディから選ぶのが無難でしょう。

ポリエステル100%の場合、インクの定着が綿と異なるため、同じインクを使うのが難しくなります。個人的にはポリエステルなら熱転写シートを使った方が簡単に綺麗に仕上がると思います。

綿とポリエステルの混合に関しては着心地の観点からも好みの分かれるところです。綿100%の方が好まれる傾向になりますが、少しポリエステルやレーヨンが混じると生地がテロッとして着心地が変わる、速乾性も多少良くなると独特なメリットがあります。

championの88ボディなどが知られていますが、少し化学繊維が入った生地は風合いが独特で個人用に良く使います。
また、綿100用のインクは大抵綿50ポリエステル50くらいまでは対応しているため、少し化学繊維が入っても何とか使えます。

ライトウェイトとヘビーウェイト

ライトウェイトは糸が細く、生地も薄くサラッとしています。対称的にヘビーウェイトは糸が太く、生地も頑丈でガシッとした質感になります。

僕は着心地に優れるライトウェイトが好みですが、耐久性という点ではヘビーウェイトが有利です。また女性はライトウェイト、男性はヘビーウェイトを好む傾向が有ります。

プリント向け、という意味ではどちらも使い勝手はそれほど変わらないです。

おすすめボディ

まずはここから。

ユナイテッドアスレの5.6ozはライトウェイトとヘビーウェイトの間くらいで、癖も無く使いやすい生地感です。またこのくらいのオンスだと一定の厚さのおかげで、白でも透けにくくなります。

シルエットは比較的ルーズシルエットですが、その分万人向けで人を選ばないです。価格も1着700円くらいなので入門のTシャツとしてはかなりおすすめです。

次にプリントスターの4オンスTシャツ。これは市販のボディの中でもかなりのライトウェイトです。

生地感は夏向けでかなり薄く、白だと透け感が少し気になるかもしれません。ただし、涼しさ・着心地の点では良好で、黒や紺のTシャツなら1枚で着ても透けにくいです。個人的には部屋着などリラックスしたい時用という感じがします。

これは女性からの受けが良く、また洗濯にも意外と強いです。

フィルメランジェは杢Tシャツにこだわりの有るブランドで、特にグレー系のカラーに強いこだわりを持っています。

杢グレーなど柔らかい質感で、独特のこなれ感が出るし、プリントした後の仕上がりも独特になるので、僕も個人的に好きなカラーです。

GO HEMPのTシャツはオーガニックコットンとヘンプを混紡したことが特徴です。Tシャツは着心地重視で綿100%にこだわる人が多いですが、夏場は汗を吸うと乾かないし、こうした混紡素材は特にアウトドアのスポーツを楽しむ人には向いています。ポリエステルに比べると肌も荒れないので、僕はこうした混紡生地のTシャツが非常に好きです。