アバルト

【購入レビュー】アバルト595シリーズ3を買うときのポイントまとめ

今日はバイクとは別に、普段の買い出しや出荷作業に使ってる車の話です。
既にちょこちょこいじっていますが、基本的にサーキット専用車というより”日常の足”として使っています。

購入したのはアバルト595

元々駐車場に制約が有るというのと、個人的には大きい車より小さい車の方が好きなので、Bセグメントの中でも最速の部類に入るアバルト595を購入しました。

蠍のマークのエンブレムが独特なので、流通量の少ない外車とはいえ見たことが有る方は多いはず。あまり車に詳しくない方には、ルパン三世の車、というと説明がしやすいですね。

サイズが軽自動車に毛が生えたくらいの大きさの割にパワーが2倍以上有るので、基本的にキビキビ動く系の車です。街中では狭い路地でも入っていける高い機動力を持っているので、スポーツカーとして買っても普段使いしやすいのが特徴です。

シリーズ3のコンペツィオーネ

アバルト595はロングランモデルなので、結構年式によって仕様が分かれます。今回購入したのシリーズ3のコンペツィオーネ。

実はカブリオレモデルを狙ってたんですが、元々タマが少ないことで良好な個体は2022年現在、結構取り合いになっている現状です。僕も色々回ったんですが、何度も目の前でかっ攫われました…。
そんなとき偶然現在の個体を見つけたので、これを成約としました。

もう少し細かい仕様としては、5MTのグリジオ・コンパボーロカラーとなります。航空機由来のグロスグレーはホワイトとも違う渋めのカラーです。後に定番色化するガンメタリックのグリジオレコードよりは、同じグレー系でも気持ち優しい色合いが特徴です。

最初は程度良好と思ったが…?

購入当初は綺麗な状態だな、と思ったのですが、自宅に帰ってあちこちばらしてみると結構裏側はダメージが蓄積している状態でした。

ブログ的には、記事のネタが沢山有って良かったのですが、アバルト595のここが不調になる、という点はおいおい個別の記事でもまとめていきたいと思います。

シリーズ3を選ぶポイント

現状、シリーズ3を購入するには中古のみとなりますので、市場流通している個体が全てです。

その中で、より程度の良い個体を選ぶために、ここを見た方が良い、というポイントを順に説明していきます。あまり適当に選ぶと購入後の消耗品交換が多くなりますので、注意してください。

Aピラーカバーのダメージ

アバルト595や、ベースとなったフィアット500ではAピラーに雨水の侵入を防ぐカバーが付けられています。これが経年劣化しやすいパーツで、5年落ちくらいでもゴムがすっかり朽ちてしまう、ということが起こります。

もし塗装が綺麗で見た目程度が良さそうな個体を見つけた時、ここを確認してみてください。これが新品に交換されているか、ダメージが無い状態なら細かく手入れされていたと判断できます。

逆にボディは磨かれてるけど、ここは穴が開いてスカスカ…という個体もチラホラ。

走行距離は5万kmを超えたくらいから消耗品の寿命が…

今流通しているシリーズ3だと5万km以上という距離を重ねた個体は結構多いです。国産車ならこれくらいは普通ですが、アバルト595の場合だとこの時点でパッドやディスクローター、各種灯火類、内装パネルなど交換、もしくは結構なダメージが来ている可能性が有ります。

事故歴は外から見分けが付かない方も多いと思いますが、具体的にはボンネットを開けた時にフロントバンパー取り付けネジ周りに傷や割れが有れば、フロントをヒットしている可能性が高いです。また、この辺りの樹脂パーツは結構繊細で、割れてしまっていることが多く、良く確認してみる必要が有ります。

また、エアコンのコンプレッサー周りのダメージも有り得ます。これは夏場なら動作を確認して冷風がちゃんと出るか、異音が無いかを見てみると良いです。特にエアコンガス漏れは起こるトラブルです。

内装では、助手席側のダッシュボードのパネルが紫外線と熱で膨らんで、ボコッとコブの様に突き出てきます。これは新品交換で治る部品ですが、コスト的にも負担が大きい上、見た目も悪いので良く確認したいですね。

消耗品は整備歴を確認できればどこが交換されているのか事前に確認することも出来ます。エアコンフィルターなど交換が厄介なパーツですし、出来れば買えていて貰いたいです。ちなみにブレーキ系はまとめて買えると結構なお値段になります。

エンジンルームは整備性があまり良くないです…

アバルト595はコンパクトなボディにハイパワーな4気筒を搭載した都合で、エンジンルームは結構窮屈です。そのため、整備性はあまり良くなく、普段DIYで整備している人でもあまり嬉しくない仕様になっています。

例えば、エンジンオイルフィルターがインテークの奥に設置されるレイアウトなので、そこにアクセスするのが地味に大変だったり、ヘッドライトバルブを交換するためにフロントバンパーの脱着が必須だったりと、比較的ライトなメンテナンスも手間がかかる構造になっています。

付いてて嬉しいオプションパーツ

また、これが付いていると嬉しいオプションとしては、4本だしのテールがかっこ良く、音もよりレーシーになるレコード・モンツァ、それにフロントのブレンボキャリパーなどが挙げられます。

特に純正のブレンボキャリパーはホイール等とまとめてセット販売された高額オプションで、これだけで新品50万以上の値が付いています。しかし中古車市場ではそれだけの価格差は付かないどころか、ノーマルキャリパー車とほぼ差が無いので、見つけたら積極的に選びたいお買い得オプションです。

年式は2016年式がおすすめ

2016年式はシリーズ3の最終年で、この年に最後のマイナーチェンジを実施。いくつかの有料オプションが標準装備された年です。具体的には本来オプション扱いのブレンボキャリパーもこの年は標準装備。エンジンも695などの限定車と同じ180馬力にパワーアップされました。

翌年からシリーズ4にモデルチェンジしたため、2016年は色々豪華仕様の最後のシリーズ3という希少なモデルになっています。ダメージの少ない個体も多く、シリーズ3の熟成年と言えるモデルなので、基本的には2016年モデルから狙っていくのが正解です。

その他、アバルトは限定モデルも豊富です。例えば深紅のカラーをまとったコンペツィオーネ・スコルピオ。イタリア車なら赤、と考えている方にはドンピシャのモデルです。この頃は赤のアバルト595は希少なので、狙ってみる価値はあります。

状態良好な個体は200万円丁度位から

現在、シリーズ3は100万円前半から購入することが出来ますが、このくらいだとやはり程度もそれなりという印象です。とにかく安く買って直して乗る、という考えも良いですが、整備性は正直あまり高くないので、僕はあまり不安要素の有る個体は避けたいです。

これが総額200万円くらいになると一気に程度が良好になってきます。出来るだけ良質の個体を求める方にはこの価格帯が一つの目安になるのではないでしょうか?

癖は強いが、ハマると楽しい

このアバルト595という車、基本的には小型FF車にハイパワーエンジンを載せた小型ホットハッチという車です。ハイスピードでコーナーを回ろうとすると、現代のホットハッチらしくない暴れ方をするので、洗練や最新という響きとは違いますが、ドライバーが操るという要素はふんだんに残されている様に感じます。

正直言って車内のパーツのクオリティは日本車やドイツ車に比べると劣ります。その分、デザイン性や見栄えで勝負、という感じですが、作り込みという点で痘痕も靨という言葉ではごまかしきれない部分を感じます。

ただし、3ドアハッチバックという小さい車体に最大限のユーティリティの工夫は見られ、天井には余裕が有り、意外と大人でも窮屈さを感じない快適性を持っています。一人で荷物を積んで小旅行、という使い方も意外なほど使いやすいです。

ファミリー層に向きませんが、1~2人でのドライブを楽しむ方、車はライフスタイルを反映したツールと捉える方、そして何より痛快な走りを好む方には刺さる一台です。