50cc~

NS-1 (ホンダ)

ホンダ NS-1

50ccのSSは今では少なくなりましたが、ホンダのNS-1はSSのスタイルに日常での使い易さをミックスすることに成功した非常に良く出来たバイクでした。

バイクの入門に最適な50ccスポーツ

ミニバイクのレースシーンで活躍したサーキット志向のNSR50に比べると、NS-1は一般ユーザーに優しいパッケージに設計されています。積載性に欠けるSSのスタイルを取りつつ、タンク部分を24Lのメットインスペースに活用しています。フルフェイスヘルメットをはじめとした若干の荷物が収納可能です。今ではSSにトップケースやサイドバッグを搭載するライダーも多いので、先進的かつユーザーのニーズに応えるアイディアでした。

エンジンは49cc水冷2ストローク単気筒のAC08E。ボアストロークは39×41.4mm、圧縮比は7.2:1です。最大出力は7.2馬力/10000回転、最大トルクは0.65kg-m/7500回転となっています。出力面ではNSR50に並ぶ高い数字を記録していますね。ただし車体構成で快適性を重視したNS-1の車両重量は101kg有り、86kgのNSR50に比べると重たくなっています。その為、出力の乏しい50ccでは加速性能で劣る形となりました。その代わりユーザーとしてはどちらを購入するかわかりやすかったとも言えます。燃費性能は54.3km/Lで、8Lタンクでも十分な巡航距離を達成しています。

車体サイズは50ccの割に全長1905mmとボリューム感の有る大きめの車体です。小排気量クラスでも、所有感の有る物にしています。一方、シート高は752mmとかなり搭乗者にフレンドリーな数字です。サスペンションはフロントに31φの正立フォーク、ブレーキも前後ディスクブレーキ仕様で、本格的な足回りを構成しています。

非常に凝った内容のNS-1ですが、排気量は50ccクラスのバイクなので約28万円と低価格に設定されました。エントリークラスとして購入し易く、更に大きい排気量への入門の役割は十分果たしていたと思います。93年にカラーリングを変更される頃には年間の予定販売台数も2万台近くまで増加しており、当時の需要の高さが伺えます。

 

ホンダ NS-1

NS-1は95年のマイナーチェンジでデザインを一新しています。V4エンジンを搭載した当時の人気車種RVFのスタイルを取り入れた2眼式のヘッドライトに換装されました。車体サイズや馬力といったスペックはそのままですが、エンジン内部に混合気を取り入れるリードバルブの刷新等随所に手を入れられています。また点火方式がCDI-マグネット点火から、バッテリー点火に変更されています。

このモデルも99年に製造が終了する頃には、年間の販売予定台数が5000台まで落ちています。理由として購入したい人の手に粗方行き渡ったことや、国内市場ではネイキッドバイクが主流になったこと等が挙げられます。設計思想や価格等、懐の広さで初代から8年間に渡り製造される息の長いモデルとなりました。

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