1000cc~

Ninja H2 SX (カワサキ) はここが凄い!!

H2 SX

カワサキ自慢のモンスターマシン、H2シリーズに日常に合わせたツアラーエディション、Ninja H2 SXが登場しました。パニアケースの装着による高い積載性と、スーパーチャージド4気筒のハイパワーが融合した新型のスポーツツアラーです。

Ninja H2 SX 2017-

H2 SX

Ninja H2 SXのスタイリングは、パッと見では昨年登場したH2と良く似ています。フロントフェイスやトラスフレーム、各部のデザインはH2の物を踏襲しつつ、タンデム走行やパニアケースの装着を考慮してリアシート周りを大幅に形状変更し、H2の大型サイレンサーもH2 SXでは少し大人しめになっています。
H2やH2Rに比べるとフルカバードと言えるほど拡大されたカウルは、最近のカワサキ車が多用する複雑な凹凸を重ねた物になっているのが特徴です。ZX-10Rもそうですが、個人的にはペイントやラッピングするのは中々苦労しそうな形状をしています。ワークスマシンを走らせているWSBKでも、カワサキはスポンサーロゴやメーカーロゴの配置がやや窮屈になる傾向があります。

バイクのボディ形状を見ていくと、Ninja H2 SXはスポーツツアラーということで、ウインドスクリーンをはね上げて高くしているのがわかりますね。極端に伏せなくても走行風が当たらない様に配慮されているのは、ツアラー寄りのSXならではです。特に上位グレードのSEはスクリーンを非常に高くすることで防風性を向上させています。
カラーリングはエメラルドブレイズドグリーンとメタリックカーボングレーの2色。H2の特徴だった独特の金属光沢を持つミラーカーボンマットスパークブラックは、H2 SXでは設定されていません。

Ninja H2 SX

車体サイズは2135×775×1025mmで、全てH2より若干大きくなっています。またホイールベースが1480mmに延長されており、高速走行時の直進安定性は更に高くなるように設計されています。ツアラー化に伴い、タンク容量も19Lに拡大され、よりツーリングに使いやすい航続距離の長いマシンになっています。
ただスペック全体を見るとH2 SXはツアラーというよりはメガスポーツという表現がぴったりくるマシンになっていますね。この辺りはカワサキらしい設計と言えます。
参考までに上の写真ではH2とH2 SX、それにZX-14Rを並べてみました。比較してみるとシートに対するハンドルの高さでH2 SXは一番高く、スクリーンの角度もより多くの走行風を弾く為に立て気味になっているのがわかります。実際のライディングポジションはZX-14RやH2に比べるとツーリング寄りですが、他社のVFRFJRに比べると格段にハンドル高は低く、このクラスのツアラーの中でも非常にスポーツ寄りなポジションになっています。

サスペンションはφ41の倒立フォークと、新型のユニトラック式リアサスペンションの組み合わせです。ブレーキは320mmのダブルディスクと対向4ピストンモノブロックラジアルマウントキャリパー、リアには250mmのシングルディスクと2ピストンキャリパーを装備しており、256kgの重量級のボディでも十分な制動力を発揮します。純正でBremboだったH2に比べると足回りに少し差が付いています。
ホイールは前後17インチで、タイヤサイズはフロント120/70-17、リア200/55-17と、H2と同サイズです。ただH2 SXの方がタイヤの負荷許容指数であるロードインデックスを少し下げられています。

エンジンはH2シリーズの最大の特徴であるスーパーチャージャー付き998cc水冷並列4気筒を搭載します。H2とボアストロークは共通ですが、圧縮比は11.2:1で更に高圧縮化された新型エンジンです。最高出力は200馬力/11000回転、最大トルク14kg・m/9500回転で、H2に劣らない高出力ぶりです。トルクも太く、更に上の排気量のツアラーと同等の数字が出ています。H2に比べると、H2 SXのセッティングの特徴としては、最高出力を少し落として、その分パワーバンドを広くしています。H2よりももう少し低い回転でパワーが出るようになっており、低回転からの力強さを重視しているのがポイントです。
エンジンの仕様としては、フューエルインジェクションがH2のφ50×4から、φ40×4に変更された他、ギア比のセッティングが見直され、1速と2速を少しハイギヤードなギアレシオにしました。
また速度を一定に保つクルーズコントロールが搭載されたことで、長時間の高速巡航で速度を保つことで容易で、手の疲れも少なくしています。

価格はH2 SXで約200万円。リッターSSクラスで、噂されていた300万円超えと考えるとかなりお値打ちな価格で登場しました。

H2 SX SE 2017-

H2 SX

更にH2 SXと並行して、上位グレードのH2 SX SEも同時にリリースされました。
スペシャルエディションと銘打たれたこちらは、ノーマルグレードと異なるカワサキを象徴する特徴的なグリーンカラーのフルカウル、防風性を高めたハイスクリーン、気温の低い季節に役立つグリップヒーター、夜間時の走行をサポートするLEDコーナーリングライト、H2にも搭載された実績の有る発進時のホイールスピンを抑えて姿勢を安定させるKLCM(Kwasaki Launch Control Mode)、クラッチ操作無しでシフトアップとダウンが可能なKQS(Kawasaki Quick Shiter)が装備された豪華仕様です。
長距離走行時の快適性に関してはSEの方が数段高く、ライダーに負担の少ない仕様になっています。

価格はH2Rの様なサーキット走行専用車ではないため、SEでも230万円ほどです。それでも国内スポーツツアラーの中で屈指の高価格車ですが、スーパーチャージャーエンジン搭載のスポーツツアラーは非常に貴重ですから、妥当な価格と言えるでしょう。

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