スズキより250cc4ストロークのモトクロッサー、RM-Z250。チャンピオンイエローの眩しいバイクで、ライバルの多いこのクラスでもしっかり活躍しています。
スズキ製250ccモトクロッサー
スタイリングは細身なモトクロッサーのそれで、車体横に走るツインスパーフレームや、極太の倒立フォークと言ったアイテムの数々が迫力を演出しています。ブレーキディスクのカバー等、高耐久性を意識しつつデザインも綺麗にまとめられています。
RM-Z250はモトクロッサーの命であるサスペンションに非常にコストがかかっており、KYB製のPSF2(Pneumatic Spring front fork)を採用しています。従来スプリングを使用していましたが、ここでは空気バネの力で減衰力を得る仕様になっています。この為、フォーク部分で1kgの軽量化を実現しました。スプリングを排した構造はフリクションも少なく、結果的に乗り心地も向上しています。更にシール部分の構造を見直し、以前よりも異物の侵入が抑えられています。レンサルのアルミハンドルバーは、オフロードでの高い耐久性と低振動を両立する物です。フロント21インチ、リア19インチのアルミホイールはRK EXCEL製です。ステンレスのスポークとのセットで、過酷な路面やレース環境で酷使されることからのダメージに耐えてくれます。ブレーキはフロント250mm、リア240mmのウェーブディスクにNISSIN製キャリパーを組み合わせました。更に2017年モデルではキャリパーも見直され、それまでより10%以上の軽量化を実現しています。競技専用のマシンですからシート高は955mmも有りますが、車重は106kgしか有りません。これを主に購入する大人ライダーの体格なら支えるのは難しくないでしょう。
搭載するエンジンは249cc4ストローク水冷単気筒。ボアストロークは77mm×53.6mmのショートストローク仕様です。圧縮比は13.75:1と高圧縮になっています。ピストンはショットピーニング加工で表面の強度を高められました。ピストンピンもDLC(Diamond Like Carbon)加工でフリクションロスの低減と高い耐久性を実現しています。またRM-Z250は専用カプラーでエンジン性能の調整が可能です。トランスミッションは5速MT仕様です。このエンジンをアルミ製ツインスパーフレームにマウントします。
RM-Z250では発進をサポートするS-HAC(Suzuki Holeshot Assist Control)が搭載されています。その名の通りホールショット、つまり先頭で1コーナーを通過する為のアシスト機能です。3モードで出力特性を選べ、最適なスタートを演出します。スタートに合わせてリアタイヤにトラクションをかけますが、その際路面がRM-Z250のパワーを受け止めるだけの余裕が有るのか無いのかでモードを選びます。また、発進後は通常の出力特性に戻ってくれる為、あくまでも発進時のサポート機能となっています。