600cc~

XSR900 (ヤマハ)

ヤマハ XSR900

今ヨーロッパを中心に盛り上がっているクラシックスタイルのバイクですが、ヤマハからはMT-09をベースに上手にアレンジを効かせたXSR900が発売されました。見た目はクラシカルなネイキッドそのもので、日本市場でも非常に受けそうなデザインです。YSPにも続々と入荷しており、早速試乗させて頂きました。

XSR900 2016-

ヤマハ XSR900

SSという走行性能特化型バイクが存在する現在では、ネイキッドバイクというとスタイルやフィーリング重視でエンジン性能的にはそこそこ、という印象ですが、XSR900はベースになったMT-09自体のポテンシャルが高い為、クラシックと言いつつも常人では性能を使いきれないくらい速いバイクになっています。ネイキッドでSSに勝ちたいという人も満足させる、とにかく攻め込めるネイキッドです。トルクはともかく、馬力ではCB1300より上というハイパワーエンジンなので、遅いわけが有りません。

搭載されたクロスプレーン3気筒エンジンは低い回転では滑らかなフィーリングを堪能できますが、回転が上がるに連れ、刺激的なパワーがドバドバ出てきます。体が後ろに飛ばされそうな強烈な加速感が堪能できるのは、このクラスの排気量ならではですね。ただあまり加速が凄いため、スクリーンが無いとちょっと走行風がきついです…。純正でもスクリーンが販売されていますので、走行風による疲労が心配の方は是非ご利用下さい。XSR900の登場は、とにかく速いネイキッドを求めていた方には朗報と言えるでしょう。

コーナーリングも変な癖が無く、すいすい曲がっていきます。195kgという重量の車体はクイックさという点ではいまひとつですが、安定感という意味ではとてもレベルが高いです。ただエンジンの攻撃的なキャラクターに、これでセパレートハンドルならワインディングは最高に楽しいのに、という考えがふと頭をよぎりました。

ハイテクとレトロの融合

ヤマハ XSR900

XSR900のデザインは昔ながらのネイキッドバイクを踏襲していますが、XJR等のヤマハが従来販売していたネイキッドに比べるとかなりモダンナイズされています。ぱっと見ネイキッドでも、これまでと明らかに違う感じを出せるのがヤマハの凄いところ。タンクやシートはデザインもそうですが、質感も相当こだわっていて、価格を超えた高級感を放っています。ダウンショートマフラーを純正装備している点も従来のネイキッドのデザインを取り入れつつも一歩進めたバイクというXSR900のコンセプトに似合っていますね。リアサスペンションの別体タンクも良い味出してます。

早速このバイクに乗車すると、全面液晶化されたメーターやトラクションコントロールのスイッチが、これが最新のバイクなんだということを再確認させてくれます。メーターの視認性は上々ですが、回して楽しいエンジンですからアナログのタコメーターの方が雰囲気が有って好きという方もいるかもしれません。トラクションコントロールは110馬力というスペックを考えれば有った方が圧倒的に安心でしょう。特に濡れた路面の上では効果を発揮してくれます。スリッパークラッチやABSも装備されており、中身ははっきりと最新鋭のバイクになっています。

カスタマイズの為のパーツも、ヤマハより既に販売されています。シングルシートカウルも用意されているので、カフェレーサー化したい方の需要にも応えてくれます。個人的にXSR900を買うならシングルシートは付けたいですね。カーボンパーツでよりレーシーな方向に仕立てることも可能です。

モタードの要素も取り入れた最新型ネイキッドのMT-09に対し、中身は最新でデザインは正統派なXSR900というのは上手に住み分けることができるのではないでしょうか。

足付きは少し辛いか?

足付きは175cmの私は両つま先が付くくらいです。大型バイクとしては普通の足付きと言えますが、小柄な女性では少し苦しいかも?またシートですが、ネイキッドにしてはかなり堅めで、スポーツ走行に使うにはとても向いています。反面、長時間のツーリングでは少しお尻が痛くなってくるかもしれません。ポジションはネイキッドらしいアップライトなポジションですから、先程も言った様に走行風が気になる方もいると思います。特に高速道路の様な高速巡航はカウル付きに比べるとやはり疲れやすいでしょう。

刺激溢れるネイキッドとして凄くおすすめ

ネオレトロというコンセプトから、割とトコトコ系バイクなのかな、と思っていましたが刺激の強い方向へ振ったバイクで驚きました。ネイキッドで元気に走り回りたい大人には最高の1台と言えます。個人的にも、街中を流すよりはワインディングやサーキットに持ち込んで全開にするのが楽しいバイクに思えます。バイクの走行性能としてはかなり高めです。

バリエーションモデルはこちら

MT-09はこちら

ストリートファイタースタイルのMT-09。より現代のスタイルを取っており、先進さを求める方にはこちら。

MT-09 Tracerはこちら

デュアルパーパスとして高い巡航性能を獲得したMT-09 Tracer。ロングスクリーンを始め、ネイキッドに無い快適装備や積載性の高さが魅力です。

関連記事

ヤマハのバイク一覧

ドゥカティ モンスター821