バイクニュース

バイクの種類を一覧化。中型から大型まで

自動車に比べると製造コストの安いバイクは多品種少量生産が可能なため、各メーカーから多数の車種がラインナップされています。ここでは実際の車両を元にそれらをタイプ別に区分けしてみました。

スーパースポーツ

ZX-10Rまずはバイクの代表選手、レーサーを思わせるスポーティなカウルをまとったスーパースポーツからです。
SSなどに略されるこのタイプは外見通りオンロードにおける運動性能、突き詰めるとサーキットでの速さを目的に作られます。スーパースポーツの場合、市販のバイクでも『レースに勝つ』という目的が常に絡んでくるため、その排気量も自ずと決まってきます。675cc三気筒エンジンという珍しい排気量を採用したデイトナ675も、きちんとレースレギュレーションを踏まえた結果です。レースでの戦績が良ければ売上にも直結しますから、この類のバイクはそれらを無視した特異な排気量で設計されることはほとんど有りません。
またサーキットを走らない一般ライダー目線で見ても、これらのバイクは防風性能に優れており、ポジション次第ではツーリングに使用できたりと、ストリートでの使用もOKです。近年では250ccクラスのスーパースポーツが20代を中心に支持されています。

ネイキッド

ヤマハ MT-10

ネイキッドバイクもバイクのカテゴリーとして代表的な物です。
こちらは大がかりなカウルが無く、エンジンが剥き出しになったタイプのバイクを指します。またデザインも古典的ないかにもオートバイらしい物が現行車種でも数多く残っているのが特徴です。一方で近年ではスーパースポーツとエンジンを共有し、運動性能を非常に高めた車種がラインナップされ、デザインでもスーパースポーツ以上に尖ったデザインを採用したネイキッドバイクが増加しています。ヤマハのMT-10やスズキのGSX-S1000などがこのタイプです。
またネイキッドバイクは主に街中で利用されるバイクのため、中低速のトルクを重視するなどスーパースポーツとは異なるセッティングが施される傾向に有ります。
カウルが無い都合上、ライダーは走行風をモロに受けるため高速走行は本来苦手です。純正のスタイルを崩してでもスクリーンやビキニカウルを装着するライダーが多いのはこのためです。

ツアラー

BMW R1200RTはここが凄い‼︎

ツアラーと一口に言ってもかなり幅広い車種が該当しますが、ここではカウル付きでロングツーリングの快適性を重視したバイクと定義します。他のジャンルに比べるとタンデムでの利用も想定されており、二人でも快適に走行することが出来ます。
スーパースポーツ並みに走行性能を重視したスポーツツアラーなども存在しますが、多くの場合純正でグリップヒーターが付いていたり、駆動方式がメンテナンスフリーなシャフトドライブ式になったり、パニアケースが付属したりと普段使いに配慮されています。
ツアラーの場合、エンジンからの振動を抑えてライダーの疲労を低減する様に設計される為、大排気量エンジン、特に振動の少ない多気筒が採用されます。FJR1300ASが採用する定番の四気筒の他、ホンダのVFR1200Fの様なV型四気筒、BMWのR1200RTの様な水平対向二気筒を採用する例も有ります。

クルーザー

ハーレーダビッドソン Iron883

国内ではアメリカンと呼ばれることの多いのがこれらのモデルです。
外見はネイキッド同様にカウルを持たない傾向に有ります。ネイキッドとのレイアウトの違いは、ホイールベースを延長することで直進安定性を高めており、ハンドルやステップもリラックスしたポジションに合わせて独自に進化しています。
エンジンに関しては比較的制限が緩く、排気量は125ccからリッターオーバーまで様々です。ただし単気筒よりは二気筒、それも見た目にも優れ独特の鼓動感の有るV型二気筒が好まれます。クルーザーはツーリングに特化したバイクですから、高回転まで回して出力を稼ぐより、低い回転でも強い加速を出せるようにトルクを重視する傾向に有ります。
これもスクリーンを持たない車種が多く、後付けパーツが多数存在します。

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スクーター

ヤマハ NMAX / NMAX155

一口にスクーターと言ってもかなり幅広いですが、ここでは250ccくらいまでの小排気量車を指しています。スーパーカブの様な超定番車種も含まれるカテゴリーで、商業車として仕事に使われたり、あるいは家庭で日常の足として使われるのが最も多いのがこのスクーターというジャンルです。50ccも含めると販売台数でも他を圧倒しています。
基本的にはATを採用しており、操作はMTバイクよりも簡略化されているのが特徴です。その割に燃費性能において非常に優れる車種が多数存在します。例えば先述のスーパーカブも燃費性能で屈指の性能を誇る一台です。
一方でビッグスクーターの様な積載性が高く、またラグジュアリーな乗り物を生産されており、幅広い層に対応する乗り物です。

マキシスクーター

BMW C600 C650 SPORT / GTはここが凄い!!

この分野は小排気量のスクーターとは明らかに異なる乗り物なので、敢えて別項目に設定しました。特徴としては大排気量エンジンを搭載したことによる余裕の出力と、大型バイクらしい運動性能、そして大柄のボディを活かした高い防風性を持っています。
具体的な車種としてはヤマハ TMAX530やBMW C650 Sport、アプリリアのSRV850などがこのカテゴリーに該当します。小排気量のスクーターが実用面も加味していたのに対し、こちらは格段に趣味性が高いです。売り文句もスクーター中最強のパワー、最速のコーナーリング性能など過激な文句が飛び交ってきます。一方でATによるライダーの疲労感の少なさ、シート下の大容量のラゲッジスペースなど宿泊付きのロングツーリングに対応できるジャンルです。
価格は100万円を超えるケースが多くスクーターとしては敷居が高いため、通好みな乗り物と言えます。

オフロード

カワサキ KLX250

全バイク中でも未舗装路での走行に主眼をおいたのがこのオフロードバイクです。
カウルレスで軽量なボディ、迫力のブロックタイヤを履いたことによる高い走破性がこのジャンルの魅力です。オフロードなんて街中に無いと思われがちですが、日本は山間部が多いので少し郊外に出れば未舗装の林道を見つけることは可能です。
全カテゴリー中、最も酷使されるジャンルで何かしら手を入れるオーナーがほとんどです。転倒率が多い車種なのでバイク自体も頑丈に設計されています。
競技車両はこれに加え、飛んだり跳ねたりといったオンロード走行では考えられない高い負荷にも耐える頑丈ぶりです。

エンジンは軽量かつ信頼性が高く、トルクにも優れる単気筒エンジンが多く用いられます。大きい四気筒エンジンが採用されることは無いです。非常に鼓動感に溢れたフィーリングで、いかにもバイクに乗っているという雰囲気も楽しむことが出来ます。
ただし超低速でのトルクや加速性能を重視する分、高速走行は苦手です。ブロックタイヤもオンロードではストリート向けハイグリップの様な安心のグリップ感を発揮してくれません。ネイキッド同様に防風性は乏しく、高速クルージングを行うにはライダーの負担が大きい車種となっています。

スーパーモタード

Hypermotard 796

オフロードバイクをベースにオンロードのスポーツ走行も楽しめるように設計されたのがこのスーパーモタードです。元々はオンロードとオフロードを同時に攻める競技用車両でしたが、現在ではCRF250Mの様に市販オフロードをベースにしたモタードバイクが広く流通しています。
ネイキッドに比べると車重が軽く取り回しが良く、オンロードタイヤに換装したことで市街地でのグリップ力もオフロードより優れています。スーパースポーツと違い、低速からのトルクの強さを活かした加速、軽い車体をいかしたリーンアウト気味の軽快なコーナーリングが魅力です。
ベースがオフロードな分、基本的には小排気量のバイクですが、ドゥカティのハイパーモタードなどオンロード性能をより重視した大排気量モタードも存在します。

デュアルパーパス

スズキ Vストローム1000 Vストローム1000XT 2017

デュアルパーパスは見た目としてオフロード寄りのジャンルですが、実際はオンロード主体に開発された車種も多いです。名前の通り、オンロードとオフロード2つの快適性のバランスを重視しています。
オフロードバイクとしては過剰なほどの大排気量、大パワーのいわゆるビッグオフと呼ばれるR1200GSや、電子制御のオーリンズサスや鍛造ホイールなどオンロードバイクとしても豪華な装備を採用したムルティストラーダなどがこれらのジャンルに含まれます。
大排気量車が中心でしたが、最近ではCRF250RallyVストローム250の様に小排気量車でもこのタイプのバイクが登場してきました。またオフロードに比べるとツーリングバイクとしても使いやすいように、純正状態で背の高いスクリーンやハンドガードなど快適装備が付く傾向に有ります。